やっぱり・・旅へ

谷川俊太郎選 茨木のり子詩集 より




酒注ぐ音は
とくとくとく だが
カリタ カリタ と聴こえる国もあって

波の音は どぶん ざ ざ ざァなのに
チャルサー チャルサー と聴こえる国もある

澄酒を カリタ カリタ と傾けて
波音のチャルサー チャルサー 捲き返す宿で

一人 酔えば
なにもかもが洗い出されてくるような夜です

子供の頃と少しも違わぬ気性が居て
哀しみだけが ずっと深くなって



茨木のり子「波の音」


     
何も想いたくない時も
何か感じたい時も

手に取るようになりました




by haru-115 | 2015-07-03 23:52 | m. | Comments(0)
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